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始発駅に電車が入ってきて、やがてドアが開くと、ホームに並んでいた客たちは目の色を変えて座席になだれ込む。このホームで並ぶという道徳を守らせているものは損得の判断、つまり知性だと言える。ホームのような場所で利己的に振る舞うことによる身の危険を…
妻の掃除と整理の仕方、これはもう極端に偏執的である。たとえば自分の好きなところはピカピカ光るほど磨き上げるが、興味のないところは何年もほこりが積み放しになっている。家の中のある部分は精神質なくらい整然と物が並び、だれかが彼女の留守にほんの一…
衝突することを恐れていたのでは、他人と親しくなることができない。人間はお互いにかなり親しくなっても、お互いを完全に理解できるものではない。理解しているつもりでも誤解していることはあろう。そして、衝突することを恐れていると、その誤解がとけない…
三匹の猫を飼っている。猫にはとにかく驚かされることばかりだ。こちらの精神状態がよければ彼らは限りなくリラックスし、外出すが続いて忙しくてかまってあげられなくなったりすると、途端にグレてわるさをする。いらいらしている時は、わざとわたしの足を踏…
ある医者から聞いた話だが、薬物依存の患者に、本物そっくりの薬を渡すと症状が落ち着くことがあるという。その後、「薬がなくても大丈夫」と説明すると、薬から離れるきっかけになるというのだ。これは治療の一環として行われるそうである。 こんなことがで…
ある有名なインタビューアーが、「いろんな人に会わなくちゃならなくて、たいへんですね。いい人、好きな人だけじゃなくて、いやな人、きらいな人もいるでしょうに」と言われて、「いいえ、はじめから好きな人、きらいな人、ということはありません。はじめは…
人間には四種類ある。過去の思い出に生きる人、未来に生きる人、現在に生きる人、その他だ。 わたしは「あのときこう言い返せばよかった」とよく後悔するから過去に生きているのかとも思うが、過去の思い出にひたることはないし、「思い出づくり」にも興味が…
「A」:日本では周囲と協調するように教育され、年長者に対して従順(じゅうじゅん)に、調和状態を壊さないようにする。しかし実際は、人間は独自の感覚や思考を持つのが当然で、他者と考え方が異なるのは自然なことなのである。これを無理に押さえつけよう…
ちかごろ、速読術などという言葉、その訓練の方法の話をきくと、古風な人間である私はカッとなる。そういう習練をする暇があったら一本をよむにこしたことはない。つまらない本に時間をかけるのは愚かなことだし、丹念によまねばならぬ本をすばやくよむのは、…
人間の潜在力をONにするには、プラス発想や積極思考など前向きの精神状態や心の持ち方が大きく作用しているといいます。思いの力がわたしたちの可能性をおおいに広げてくれるということが、遺伝子レベルで解明されはじめているわけです。_______、ど…
混み合ったコンパの席で友人と話をしているとき、耳に入ってくるのは友人の声だけではない。周囲で交わされる会話や食器のぶつかる音があり、BGMさえ流れている。そんな喧噪(けんそう)の中でも、友人の話に耳を傾け、その内容を理解することが可能である…
日本人に個性がないということはよく言われていることだけれど、今世界的に、1週間、或いは年間にどれだけ働くか、ということについて、常識的な申し合わせが行われていることには、私はいつも違和感を覚えている。私は毎年、身体障害者の方たちとイスラエル…