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本というのは、人間と同じようなものだ。一律の価値によって優劣を決めることはできない。人気者がいるのと同じように、ベストセラーがある。嫌われ者がいるように、誰からも手に取られない本もある。だが、どれもがそれぞれの価値を持っている。それを求めて…
たとえば、あなたが会社の中で企画部門に属し、①目標値を設定する仕事を与えられたとする。ここでは達成不可能な目標を設定したところで意味がないとされるから、外部環境や内部の状況を含め、諸々の要素を検討することになるだろう。その上で現状から考えて…
山の風景画は、世の中にいくらでもある。日本画にしろ洋画にしろ、古今東西あまたの(注1)画家たちが、その題材に「山」を選んでいる。モチーフとしての山の意味するものはさまざまだろうが、個人的にはそれらに興味を惹かれることはなかった。 なぜか。 …
わたしは、暮らしや家族の中にある科学をテーマにして、雑誌に記事を書くことがあります。料理の科学、生活の中にある器具のしくみなどを取りあげて、科学を専門としない人たちにも関心を持ってもらえるよう記事づくりを工夫します。そんなとき①編集者の注文…
建築の設計をやっていると様々な職人に出会う。大小を問わずどの現場でも一人や二人、主役を張れる(注1)人がいる。そうした人に出会うのが、現場に通う楽しみのひとつだ。長い時間、図面にばかり接していると、現実を離れて思考が一人歩きすることがよくあ…
私は、科学が再び文化のみに寄与する営みを取り戻すべきと考えている。壁に飾られたピカソの絵のように、なければないで済ませられるが、そこにあれば楽しい、なければ何か心の空白を感じてしまう、そんな「無用の用」としての科学である。世の中に役立とうと…
ある人は、コンクリートも自然素材であるという。主要な材料は砂、砂利(注1)、鉄、セメントであり、セメントも石灰石(注2)が主原料であるから、それらの自然素材を組み合わせて作ったコンクリートも自然素材だというロジックである。(中略…
「買う」という行為ひとつ取って考えてみても、現実の「買う」という行為は、旧来(注1)の経済学の入門書などにみられる説明からはみ出している。“「需要」と「供給」の心要性に基づいた関係の充足(注2)”云々といった平板な説明などでは到底、…
私の専門が哲学ということもあって、幸福について論じてくれといった原稿依頼もたまにあります。しかし、私は「幸福論」というものが嫌いです。そもそも「幸福になりたい」という気持がどうも好きになれない。 したがって、「幸福論」といった…
歴史の教科書には、有史以来の「大事件」が山ほど取り上げられている。歴史の特色は、歴史が「起こったこと」の連続として書かれていることである。しかし、人間の毎日の活動の集積が歴史だとすれば、歴史の大部分は「起こったこと」の裏にある「なにも起こら…
勝ち組、負け組って何だろう。 春先は入学や就職など、進路が決まったり決まらなかったりする季節である。 ゲームならルールがあって明確だ。しかし、われわれ「人」の勝ち負けに、世界共通の基準などあるのだろうか。勝ち負けーーーつまり成功の基準は、人…
以下は、ある農作物の販売者が書いた文章である。 自分の手で作物を育ててみると、それが食べられるようになるまでどれだけ手間がかかるのかがわかる。また天候不順などに見舞われたら作物ができないこともある。米や野菜は、工場で生産される製品のように、…